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分かり易く解説!検挙と摘発の違い

 
Kollama Yujiro
投稿者 Kollama Yujiro. 更新された: 16 1月 2017
分かり易く解説!検挙と摘発の違い

テレビのニュースや「推理モノ」や「法廷モノ」のドラマを見ていると、いろいろな言葉がでてきますよね。逮捕に勾留、検挙に摘発、書類送検…でも言葉の意味や法律などを知らないと、なぜその流れになるのかが、いまいちわからないときがありませんか?そして気づくと、いつのまにか真相にたどり着いてしまっている(笑)。

実は以前から、これらの違いには興味があって、刑法か刑事訴訟法あたりを探せば出てくるかなー、などと軽い気持ちで図書館に行って調べてみたことがあったのですが、なんと!逮捕はあっても検挙や摘発といった言葉が出てこなかったのです。仕方なく、書籍については断念しました。次に、ネットで調べてみると、警察内部で使われている言葉であることまでは、わかりました。そこで今回は、逮捕・検挙・摘発についてその違いを解説したいと思います。

目次

  1. 検挙
  2. 逮捕
  3. 摘発
  4. 検挙と摘発の関係
  5. 考察

検挙

検挙は法律用語ではありませんが、警察内部で使われている言葉です。微罪処分に必要な検査・任意取り調べ・逮捕・書類送検なども含めています。

また、逃亡や証拠隠滅のおそれがなく、軽微な犯罪であれば、被疑者を特定したとしても、逮捕されずに任意同行や在宅での取り調べのみということもあります。

このように、検挙されたからといって逮捕という訳ではなく、マスコミなど一般で用いる際は、逮捕に至らないケースに用いることが多いです。

◆書類送検

被疑者身柄拘束することなく,起訴当否判断するために,捜査書類証拠などを警察から検察庁送付することです。

◆被疑者

捜査機関(警察・検察)が特定した犯罪を行った人のこと。

逮捕

逮捕は法律用語です。しかも、逮捕とは、刑事事件で特定された被疑者の身柄を強制的に拘束・留置することで、通常逮捕・緊急逮捕・現行犯逮捕の三種類あります。

通常逮捕は、事前に発行された逮捕状にもとづいて行う逮捕で、最も一般的な逮捕の形といえます。また、緊急逮捕は逮捕後に逮捕状の発行を求める方法です。現行犯逮捕は現行犯に対して行われるもので、犯人が明らかなため、逮捕状は不要となっています。

これら3つのうち現行犯逮捕は、警察官や検察官以外の一般人でも行えます。

また、警察官などが被疑者を捕まえた後、被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐため、強制的に身柄を拘束する行為を指します。

摘発

摘発は法律用語ではありませんが、悪事をあばいて世間に公表することです。通常は「拳銃を摘発する」や「麻薬組織を摘発する」、「脱税を摘発する」といったように、犯人に対してではなく物や犯罪そのものについて用いられます。

そして摘発は、検挙よりも更に広い意味で、犯罪を見つけただけで、犯人の特定にまで至っていないようなケースも含めます。

検挙と摘発の関係

  1. 範囲:検挙は微罪処分に必要な検査・任意取り調べ・逮捕・書類送検なども含めていいます。一方、摘発は、検挙よりも更に広い意味で、犯罪を見つけただけで、犯人の特定にまで至っていないようなケースも含めます。
  2. 意味:検挙は警察や検察などの捜査機関が、刑事事件の被疑者を捕まえることで、摘発は悪事をあばいて世間に公表することです。なお、犯人を捕まえた事実が公表された後は、しばしば検挙と摘発は同じような意味で用いられます。ちなみに、逮捕は、刑事事件で特定された被疑者の身柄を強制的に拘束・留置することです。
  3. 使用例と特徴:検挙は「交通違反で捕まった(検挙された)」、「収賄容疑で検挙する」のように使われており、被疑者を特定することをいいます。一方、摘発は「拳銃を摘発する」や「麻薬組織を摘発する」、「脱税を摘発する」のように使われており、犯罪の事実を公表することに重点を置いています。

考察

いかがだったでしょうか。冒頭のニュースやドラマに出てくる言葉の1部である検挙と摘発、それから逮捕についても調べてみました。そして、どこがどう違うのかをカテゴリーに分けて比較してみたのですが、その際ふと思ったことがあります。特にドラマになるくらい人気がある、いわゆる推理モノや法廷モノの原作小説は、警察や検察の内情に詳しい方、例えば元警察官や元検察官が、専門用語を使うことで臨場感を出したものと考えられますが、これを積極的に流すようにしたのはマスコミだそうです。まあ、あたらし物好きといわれる日本人の性(さが)なのでしょうか。そして、これらのことから、警察内で使う専門用語が一般に浸透し、法律用語と専門用語の境界線があやふやになっていったのかもしれません。しかし上で行った分類から実際線引きすることができます。

  • 検挙も摘発も法律用語ではなく警察内部で使われる専門用語です。(ただし逮捕だけは法律用語です。)
  • 摘発>検挙>逮捕となっています。つまり摘発が指し示す範囲が一番広いということです。そして順に検挙が来て、その中に逮捕が含まれています。
  • 検挙は人を対象にしており、摘発とは犯罪自体を対象にしていることから、対象としているものが違うことがわかります。

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