「薦める」と「勧める」の違いと使い分け
「すすめる」と言われてすぐに思いつくのは、「進める」「薦める」「勧める」ではないでしょうか?この3つの違いを皆さんはきちんと理解していますか?「進める」はまだしも、「薦める」「勧める」の違いは非常に分かりづらいと感じる人も少なくないかもしれません。それもそのはず、意味が非常に似通っています。今回は、この2つの違いをきちんと解説していきたいと思います。また、どのように使い分ければ良いかもご紹介していきます。使い分けに自信がなかったあなたも、明日から堂々と書き分けられるでしょう!
参照元:patriciagaomd.com
「薦める」と「勧める」の違いとは?
誰かに何かをおすすめするときに「すすめる」という言葉は使いますが、「薦める」「勧める」はの意味の違いは実際にあるのでしょうか?それぞれ意味を見ていきたいと思います。
『薦める』
この「薦」という漢字を見ると、「推薦」という熟語が頭に浮かんだ人も少なくないでしょう。この推薦という言葉のように、ある人や物をほめて、採用するように説くといったような人や物などのよい点をのべて、採用を相手に促すという意味がまずあります。また、まさに「候補者として薦める」などというように、推薦するといった意味が一般的です。非常に簡潔に言えば、「イチ押し!」とか「オススメ!」とかいうイメージが近いかもしれません。
『勧める』
一方、「勧める」は、人がその事を行うように誘いかけるような、何かをするようにはたらきかけるような意味を含んでいます。「勧」を使った「勧誘する」にもあるように、「勧誘」のニュアンスがあります。またこれ以外だと、物を供して、飲食または使用してもらおうとすしたり、積極的に実行するようにたすけ励ます意味も含んでいます。
「参加を勧める」などというように使うことが多いので、「どうぞ」「いかがですか?」というイメージが一般的ですが、その一方で「勧誘」のイメージも強いので、場合によっては強引な印象を与えるかも知れません。
使い分け方法は?分かりやすい使い分け方法とは?
上記では、意味をご説明しましたが、では実際にどのように違いを見分ければ良いのでしょうか?何か分かりやすい区別や使い分け方法などないのでしょうか?まずは、双方の例文を見てみましょう。
『薦める』
・妻が作った美味しい料理を客人に薦める。
・仲良しの友達を次期の生徒会に薦める。
・PTAの役員候補として薦める。
・大学の恩師の薦めによって就職できた。
・良書を薦める。
『勧める』
・私の特別チームに入ることを勧める。
・疲れて帰って来た夫に、お風呂へ入ることを勧める。
・地域の住民へ資源の有効利用を勧める。
・議員の辞任を勧める。
・訪ねてきた義理の両親に茶菓子を勧める。
・泊まる予定の友人に、風呂を勧める。
上記の例を見てもらうと気付く方もいるかもしれませんが、良い物や人を紹介したい時には「薦める」、行動をうながす時には「勧める」を使います。
また、すでに挙げましたが、「勧誘」といった意味を含んでいる『強めのススメ』を意図しているときは、「勧める」を使うようにすると覚えておくのが良いかもしれませんね。
※おまけ※
「進める」と「勧める」
縁談話の中でも、段階によって「すすめる」を2つ使いわけることができる良い例があるので、ご紹介しておきたいと思います。
例文として、「縁談をすすめる」という文があるとします。状況として、新たに結婚話(見合い)をするよう促す意の場合は「縁談を勧める」と言うでしょう。
で、進行中の結婚話を前向きに発展させる場合には「縁談を進める。」となります。
まとめ
2つの漢字「薦める」「勧める」は、違いがなさそうに見えて、実はあることがお分かりいただけたでしょうか?どちらかと言うと、「勧誘」として使われる「勧める」の方が、相手に対して強い印象を与えるということを覚えておくと良いでしょう。実際使う側としても、強く「すすめたい」ときは、こちらを使うと覚えておくと良いかもしれません。
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