「町」と「街」の違いと使い分け
「まち」と書くときに、あなたは「町」と「街」のどちらの漢字を使用しますか?普段は「町」を使うけど、「街」を使うと何となくオシャレな感じがして、時々使ったりしていますか?気分で使う漢字を変えている人もいるかもしれませんが、実際この2つの漢字は何か違いがあるのでしょうか?また、もしあるならば使い分けなどはあるのでしょうか?今回はこの2つの「まち」について意味を詳しくご紹介して、使い方についても例を挙げていこうと思います。意外なことが分かるかもしれませんよ?
参照元:bestcollegereviews.org
「町」と「街」の意味
早速2つの「まち」について意味を詳しくみていきたいと思います。
『町』
「町」とあらわす時、意味は次のような3つのことをあらわします。
1.住宅や商店などが密集している地域や市街地のこと。
2.地方公共団体の一つである町(ちょう)をあらわす。
3.市や区を構成している小区画のこと。
どちらかというと、客観的な情報として、区域や地域をあらわすことが多いようですね。仮に英語で当てはめるなら「town」が相応しいといえるでしょう。『街』
「町」に対して、「街」はどんな意味があるのでしょうか?
1.町中を区切る通りのこと。
2.町中の通りに面している一角をさす。
3.商店などが並んだにぎやかな道筋や、またはそのような区画のこと。
これらを見てみて「町」と比べるとどうでしょうか?どちらかというと「まち」そのものというよりは、その地域にある場所や建物などをあらわす場合に使われていると言えるでしょう。なので「街」というと、アニメや小説などで「人が集まってがやがやしているシーン」がイメージしやすいかもしれませんね。また、「街」を英語に当てはめるのなら「street」が良いかもしれません。
2つの「まち」の使い分け
「町」と「街」の違いは、一言でいうと 「集まっているものが違う」ということになります。なにが集まっているかというと、「町」に多く集まっているものは人や家で、「街」に多く集まっているものは商店など、ということなのです。
なので、たとえば「まちなみ」という表現でも書かれる漢字によってだいぶ違ってきます。つまり、「町並み」とも「街並み」とも書くことができるのですが、それぞれ雰囲気やニュアンスが異なるのです。
「町並み」であれば、人がたくさん住んでいる城下町などを表現するときに使います。『城下町らしい落ちついた町並み』と表されるでしょう。その一方で、「街並み」は『飲食店などが立ち並ぶにぎやかな街並み』などという使い方なので、全く異なるというより雰囲気が違うというところでしょうか。
では、実際に使われている例文も見てみましょう。
『町』
・仕方がなく、車に乗って町へ行く。
・地震の影響での隣町の被害は深刻である。
『街』
・街の角を右へ曲がると素敵な喫茶店がある。
・街の広場に広がるイルミネーションはクリスマスシーズンの名物です。
この例文から読み取れるように、「町」には明確な意味がもう1つ意味があります。それは、住所などで用いられる「町」です。みなさんのお住まいの住所にもある○○町という、行政区画の区分名です。この場合の「町」の意味は、「街」よりも広い範囲を指しています。つまり、「街」は「町」の中にある、と言えるでしょう。例文以外で、それぞれの「まち」が使われている例を見てみましょう。
『町』
湯の町、裏町、下町、町ぐるみ、町はずれ、陶芸の町、屋敷町、町医者
『街』
街を行きかう人々、街の灯り、花街、街に買い物に行く、若者の街、街の声、人通りの多い街、銀座の街角
まとめ
「町」と「街」の使い分けは、単に少しオシャレかどうかというわけではないのはお分かりいただけたでしょうか。表している範囲が異なったり、多く集まるものが違っていたりします。迷ったときは、どこをあらわしている文章か、何を指しているのかを考えると分かりやすいかもしれません。
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