「押さえる」と「抑える」の違いと使い分け
みなさんは「おさえる」という言葉を聞いて、「押さえる」「抑える」のどちらを想像したでしょうか?もしくは、両方思いついた人もいるかもしれません。この2つの違いについて、はっきり認識している人もいるかもしれませんが、今回は改めて意味の違いや使い分けの方法について、おさらいしておきたいと思います。なんとなく分かっていても、少しでも曖昧になっている部分や意味などがあれば、ここできちんと理解しておくのが良いですよ!
参照元:robbinsnissan.com
「押さえる」と「抑える」本当に分かっていますか?
「押さえると抑えるぐらい簡単!普通に分かってるよ!」という方、本当に分かっていますか?「力をおさえる」、「格安物件をおさえる」、「箱をおさえる」これら自信を持って使い分けられますか?
では、改めて意味を見ていきましょう。
『押さえる』
この「押さえる」というのは、ものに対して力を加えて動かないようにする、といったような意味があります。確保する。固定したり、手で掴むことで、主に物質的なことや具体的なものを動かせなくする時に、「押さえる」という言葉を使います。
『抑える』
「押さえる」に対して「抑える」は、何かが上昇したり、広がったりする勢いを止めるといったような意味があります。覆って、物がそれ以上広がらないようにして、食い止めたり、こらえるような状態を指します。主に、感情的なこと、抽象的なことに対して、使うことが多いでしょう。
さて、このように意味を聞いて、はっきりと違いが分かりましたでしょうか?かえって、意味が分からなくなった人もいるかもしれません。例文を見てハッキリさせていきましょう。
「押さえる」と「抑える」の例文
実際の使われている例を見ると、より分かりやすくなるでしょう。
『押さえる』
・蓋の上から手で箱を押さえる。
・先ほど擦りむいた傷口をハンカチで必死に押さえる。
・花嫁の手紙に思わず目頭を押さえる。
・花瓶の水がこぼれないようにテーブルクロスを押さえることにした。
・あの芸能人のスクープの決定的な証拠を押さえることに成功する。
・明日発表するスピーチの要点をわかりやすく押さえる。
・集中するために、雑音が入らないように耳を押さえる。
むりやり英語に言い換えると、hold(固定する)や、book(予約する)に近いのかもしれません。力を加えて、もう動かせないようにするイメージと考えると分かりやすいでしょう。『抑える』
・選挙で熱くなった民衆の暴動を軍隊が抑える。
・あの投手がついに、ノーヒットノーランで抑えることの成功した。
・毎日無神経な部長に対するこみ上げる怒りを抑える。
・今年も恐れていたインフルエンザの新型ワクチンでウイルスの拡散を抑える。
・留まることのしらないインフレの状況下で、何とか物価の上昇を抑える。
・気まずい雰囲気を避けるために発言を抑える。
これも英語に言い換えるならば、suppress(鎮圧する)やlower(低くする、下げる)と表すと良いかもしれません。
この2つの違いは、一度覚えてしまえば違いが分かりやすい漢字なので、1回しっかりと覚えれば割とたやすく使い分けができるかと思います。
『押さえる』は、固定して、動かさないようにする場合に使います。対して、『抑える』は抑制、抑止、抑圧などの意味で使う時と覚えておくのが分かりやすいでしょう。
例えば、忘年会などのお店を予約するときは、何かが広がっていうのをカバーしたり、抑圧したりするわけではありません。みんなのスケジュールを「この日に決めて動かさなくする」という意味合いで使うので、『お店を押さえる』というのが相応しいと分かるでしょう。
まとめ
一見分かりやすい「押さえる」と「抑える」ですが、違いをはっきり言われるまで、実は曖昧な人もいたのではないのでしょうか?使い分けるときは、箱をどう「おさえる」のかというイメージで覚えておくと分かりやすいかもしません。箱の中身を抑制するのか、箱自体を動けないようにおさえてしまうのか、ということです。一度覚えてしまえば、分かりにくいことはないので、非常に使いやすい使い分けでしょう。
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