西暦と和暦の意味と違い
「今年は何年ですか?」
この問いに皆さんはなんて答えるでしょうか?「平成○○年です」もしくは「20××年です」どちらでしょうか?現在は、もっぱら西暦であらわされる事が多くなり、馴染み深いのは『20××年』の方の人も多いのではないでしょうか?和暦で書かなくてはならない場面があると、スマホを取り出して調べたりしている人も少なくないのでは・・・?この西暦・和暦の違いって、実際何なのでしょうか?ただの表記の違い?いえ、それだけではありません。意外と奥が深い暦について解説していきたいと思います。
西暦とは
では、西暦と和暦の定義について、早速みていきたいと思います。
【西暦】
西暦とは、イエス・キリストが生まれた年の翌年を『西暦元年』としたもので、暦をあらわす方法の一つです。いわゆる、現代社会で広く馴染み深いこの紀年法は、世界中で一番多く使われているものになっています。歴史の教科書で、よく見る『AD』は『Anno Domini』の略で、キリストが生まれる前『BD(Before Christ)』と表記されていますね。
【暦法について】
さて、この西暦ですが、キリストが生まれてから2000年以上経ちますが、これまでずっと同じ暦法を使ってきたわけではありません。暦法とは、毎年の暦を作るための方法で、端的に言えば1年に何日あるか、と日付を数える方法や1年の日にちを数える方法のことです。「太陽暦」という方法で暦を数えてきたのですが、始めのうちは「ユリウス暦」というのを使用していました。
【太陽暦のうつりかわり】
ユリウス・カエサルによって、紀元前45年1月1日より実施された「ユリウス暦」は、地球が太陽を回る動きを元に作られた暦法です。1年を原則365日で、4年に1度「閏年」を設け、いわゆる平均年を365.25日としました。しかし、実際の太陽年は焼く365.2422日あるので、毎年少しずつ暦がずれていくことになりました。13世紀頃になると認識され、改暦の要求がはじまりました。そして16世紀にはついに、春分日が10日もズレてしまったことを受け、ユリウス暦から「グレゴリオ暦」に変わりました。ゆえに、ユリウス暦1582年10月4日の翌日は、グレゴリオ暦1582年10月15日になったそうです。グレゴリオ暦は、ユリウス暦のように閏年を置きますが、400年のうち100日ではなく、微調整されて97日になったとのこと。よって、ユリウス暦よりも誤差がより小さいものになったそうです。(1日ズレるのに約3220年かかる)
和暦とは
和暦とは、文字通り日本独自の紀年法なので、日本だけで使われる数え方です。和暦は邦暦と呼ばれることもあるようです。和暦は年数の前に、元号を使って表現されます。いわゆる、『明治・大正・昭和・平成』です。よく、官公庁や役所関連の資料で書くケースも多いでしょう。『明治・大正・昭和・平成』は、『M・T・S・H』と省略する表記も一般的です。
この和暦というものが使われ始めたのは、西暦で言えば645年の「大化」が一番最初です。この元号は、これまでの歴史の中で、必ずしも連続して使われていたわけではなく、途中で元号がない年があったり、逆に元号が2つ存在している時もあったようです。
【元号が変わるタイミング】
現在は、天皇の皇位継承のタイミングのみ改めて制定されていますが、明治以前は違っていたようです。不吉なこと、天災、病などの理由でたびたび改められていたようです。なので、短い間で何度も変わる事もしばしばありました。
【使われてきた暦法】
日本では長い間、太陰太陽暦という、月の満ち欠けの周期を元にした暦に、太陽の動きを元にした閏月をいれた、混合型の暦法を使用してきました。1873年以降は、グレゴリオ暦が使用され始めたので、西暦と同じ日にちになりました。しかし、それ以前は、西暦に対応しない日にちが存在したり、歴史的に有名な事件の日でも、実際に日にちが異なっていたりするのです。たとえば、あの有名な「本能寺の変」は西暦だと1582年6月21日ですが、和暦で表記すると天正10年6月2日なのです。これは、暦の数え方が違うことによって、1年の日にちが違うので、日付にすら違いが現れてしまうのです。
日本はいつから西暦を取り入れた
前述で、少し触れたとおり、日本では西暦を1873年から取り入れ始めました。『明治の改暦』と呼ばれるこの出来事は、当時の日本社会に衝撃を与えました。なんと言っても、『明治5年12月2日』の翌日が、『明治6年1月1日』かつ『1873年1月1日』である、と突然定めたのです。この変更の発表は、実施の1ヶ月ほど前で、暦を販売している者は大変な被害を被ることになりました。実際に、日本社会に西暦が普及してきたのは、第二次世界大戦後あたりからです。
おわりに
単純に、「昭和」「平成」という元号が付くだけかそうでないかの違いだけかと思いきや、西暦や和暦にはそれぞれの歴史があり、昔の人は、より正確な暦を表すために、非常に尽力されたのだと分かりましたね。いまでこそ、西暦が主流になり、和暦が使われる機会は圧倒的に少なくなりましたが、いま一度和暦の良さを再確認してみるのも良いかもしれませんね。
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