どう算出しているの?偏差値の求め方
みなさんは1度くらいは「偏差値」という言葉を聞いたことがあるでしょう。実は私は何度も耳にしています。その偏差値ってもちろん平均点とは違いますよね。でも一体どうやって偏差値って計算されて出てきているんでしょう。そんなことを疑問に思ったり感じたことはありませんか。そこでこちらの記事では「どう算出しているの?偏差値の求め方」をテーマになるべくわかりやすく、シンプルに説明していこうと思います。興味がある方は是非この下の記事を読んでみてください。
画像:allabout.co.jp
必要なもの:
- 電卓
- ペン
- 紙
例
では早速偏差値の正しい求め方について説明していきましょう。そのためには例が必要ですから、ここに例として10人の学生に登場してもらいます。AさんからJさんまでの得点は以下のようだったと仮定して、説明を始めさせてもらいます。
Aさん50点、
Bさん90点、
Cさん60点、
Dさん60点、
Eさん40点、
Fさん100点、
Gさん40点、
Hさん40点、
Iさん50点、
Jさん70点、
以上のように100点満点のテストで10人の学生の点数はこのようだったと仮定します。
平均
偏差値を求めるためには平均値も出しておく必要があります。なのでここで平均を出してみましょう。平均の求め方は皆さん知っていますね。そうです!全ての得点を足してそれを人数で割ればよかったのですね。ではやってみましょう。この10人のテストの合計点は600点です。それを10人で割ると60と出てきました。つまり60点が平均点ということです。誰もがテストで平均点は取りたいですよね。これは1つの基準ですからこの点を超えていたら、まあまあクラスでできているということになります。
平均との差
では次に平均との差を考えてみます。平均点よりちょっとだけ上だったら、それはクラスでほぼほぼ真ん中の位置にいるということです。しかしながら平均より大きく上回っていたら、クラスでトップのほうに入るということです。ですから平均点と自分の得点との差も非常に大切になってくるんです。ではここではAさんからJさん、それぞれの平均と自分の得点の差を出してみましょう。平均は60点でしたらそれぞれの差を書いていくと以下の通りになりますね。
Aさん10点、
Bさん30点、
Cさん0点、
Dさん0点、
Eさん20点、
Fさん40点、
Gさん20点、
Hさん20点、
Iさん10点、
Jさん10点、
平方数
次にさきほど出した平均との差の平方数を求めます。平方数という言葉を覚えていますか。あなたも中学の数学でこれを習ったはずですが、もう何年も数学から離れているとこの言葉の意味なんて忘れてしまいますよね。ここでもう一度初心に帰って説明しておきましょう。平方数とはある数をもう一度かけて出てきたものです。例えばすごく簡単な例を挙げるとすれば、2の平方数は2x2なので4です。そして9の平方数なら9x9で81になるということです。簡単でしょう?思い出してきましたか。
ではここでは先ほど出した平均との差の平方数を求めていきます。例えばAさんの場合なら、10x10で100になるということです。他の学生の平方数も計算していくと以下のようになります。
Aさん100、
Bさん900、
Cさん0、
Dさん0、
Eさん400、
Fさん1600、
Gさん400、
Hさん400、
Iさん100、
Jさん100、
このようにかなり大きな数字になりましたね。ここまでいいですか。あなたもついてきていますか。
分散
次に偏差値を出すためにやらなければいけないことは分散を求めるということです。でも分散って何でしょうね。これは中学の数学では出てきませんでしたが、高校で出てきましたね。覚えている人も少しはいるでしょうか。ここでは知らない人、忘れてしまった人のためにもう1度説明しておきます。難しそうな名前ですが実は非常にやることは簡単です。
分散とは先ほど出した平方数の平均を求めることなんです。平方数は大きい数だったので計算ミスにさえ注意してもらえれば、ちゃんと計算できるはずです。あの平方数を全部足すと4000になりますから、それを人数の10人で割って400が出ましたね。これが分散です。
標準偏差
次に求めなければいけないものが標準偏差というものです。これも聞きなれない名前で、「一体何をするの?」と疑問に持っている方も多いことでしょう。でも難しく考えなくてもいいです。ここでは誰にでもわかるように、シンプルに説明しますから。
標準偏差の話には平方根というのを知っておかなければいけません。これも中学で勉強したことですが覚えているでしょうか。例えば64の平方根は8です。この考えは8x8から来ています。100の平方根は10です。なぜなら10x10をしたら100になるからです。では81はどうでしょうか。つまり何と何をかけたら81になるか考えるんです。もうあなたもわかりましたね。81の平方根は9です。これは電卓でも簡単に出せるんです。√ ルートのマークが電卓にあると思います。それを81のあとに押してみてください。すると9と出てくると思います。どんなに大きい数や小数点がついた複雑な数でも電卓があれば、問題ありませんね。
話を戻しますと、先ほど分散が400と出てきました。これの平方根を考えてみます。もうおわかりですね。平方根は20になります。これを標準偏差というのです。
平均点との差に10をかけ標準偏差で割る
次にやらなければいけない作業が今までの中で一番面倒くさいかもしれません。細かい計算が必要になってきますから電卓をご用意ください。暗算や計算に自信がある人はペンと紙だけでも大丈夫です。
ここではそれぞれの学生の平均点との差に10をかけてその後標準偏差で割ります。例えばAさんは平均点との差は10でしたね。これに10をかけ,標準偏差である20で割ると,10×10÷20=5 となります。わかりましたか。もう一人、例を挙げておくとBさんは平均点との差は30でした。これに10をかけ,標準偏差である20で割るので30×10÷20=15となります。どうですか。ついてこれましたか。この作業、とっても面倒なんですが全員同じことをします。すると以下のような数字が出てきます。あなたもご一緒に電卓でやってみてください。
Aさん5、
Bさん15、
Cさん0、
Dさん0、
Eさん10、
Fさん20、
Gさん10、
Hさん10、
Iさん5、
Jさん5、
このような数字があなたも出てきていたら正解です。ここまでわかりましたか。わからなかったり、違う数字が出てきているようなら、わかるところまで戻ってもう一度こちらの記事をじっくり読み直してみてください。きっとできますから。
偏差値
これが最後のステップです。これでいよいよあなたも偏差値を求めることができるのです!最後のステップなので計算ミスがないように集中して頑張っていきましょう。ではここでは何をするのかと言いますと、シンプルな引き算や足し算です。でもその前に「偏差値50というが平均である」ということをあなたは知っていましたか。これは本当の話です。偏差値50を取ったらあなたは平均のところにいるということです。ですから偏差値が50以上であれば、あなたは平均以上であるということです。また同様に偏差値が50以下であれば、残念ながらあなたは平均以下であるということなんです。
先ほど出てきた数字、つまり平均点との差に10をかけ標準偏差で割ったあとに出た数字がありましたね。例えばAさんは5でした。平均よりも低かったのですから、偏差値50から5を引きます。すると45と出てきますね。これはAさんの偏差値です。同様にBさんの場合も一緒に見て見ましょう。Bさんは頭がよく平均以上でした。ですからこの場合は足します。50+15で、この人の偏差値は65ということです。CさんとDさんは平均点をとっているので偏差値は50です。ではEさんはどうでしょうか。今度はあなたが自分で出してみてください。その後他の人の偏差値も全部出してみてください。以下のようになっていれば正解です。
Aさん45、
Bさん65、
Cさん50、
Dさん50、
Eさん40、
Fさん70、
Gさん40、
Hさん40、
Iさん45、
Jさん55、
これで皆の偏差値が出ました。ちょっと計算が多くて大変でしたね。日ごろ計算をしていない人にはちょっと大変だったかもしれませんが電卓を使えば簡単ですね。
まとめ
以上のように正しい偏差値の求め方を説明してきましたが、いかがだったでしょうか。今回は例として簡単な数字を使って、切りのいい計算が多かったですが実際にはもっと複雑で小数点が入った計算も出てくると思います。しかしながら、小数点が出てきても基本的なやり方は同じです。計算ミスがないように落ち着いて計算していけば正しい偏差値が導き出せるでしょう。またこれら一連の計算はエクセルでもできるようなので、エクセルが得意な方はそれを使うという手もあるでしょう。
これであなたも1つ賢くなりましたね。偏差値の出し方について聞かれたらこれであなたも答えられるでしょう。あなたの周りで知らない人がいたら是非教えてあげてください。きっと尊敬のまなざしで見られると思いますよ。計算ミスだけはしないように、確実にやっていってください。1つ間違えるとあとあとに響きますから気をつけて。
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