「お手数ですが」以外の他にも使える敬語と例文
何かお願い事がある時、本題に入る前に一言付け加えるだけで、印象を好ましくすることができます。「お手数ですが」もその一つです。しかし、この言葉だけをずっと使うというのはどうでしょうか。いくつかバリエーションを持っていると良いですよね。例文と一緒に、使い勝手良いフレーズをご紹介します。
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お手数をおかけ致します
「お手数ですが」と同じでしょう、ただ丁寧にしただけと思われるかもしれませんが、ここでのポイントは逆接の助詞「が」を使うか、使わないかです。逆接の働きをする言葉は「が」以外にも、「でも」「しかし」「だけど」「けれども」など様々にありますが、人間は逆接の意味の言葉を聞くとネガティブな気持ちになるものです。お願い事という相手の負担になるかもしれないことをお願いする前にわざわざその手の言葉を使う必要はありません。だから、敢えて、文を二つに分け、逆接の意味の言葉を使うことを避けましょう。その他の前置き言葉においてはもちろんのこと、普段の会話においても、意識すると良いです。
[例]
お手数をおかけ致します。このメールに添付致しました書類をご確認いただけないでしょうか。
恐れ入りますが/恐縮ですが
「恐れ入る」や「恐縮」とは、目上の人に対して、自分には度の過ぎたことをする、したと思い、申し訳なく思っている、ありがたいと思っているということを伝えるための言葉です。「お忙しいところ」という前置きをおいてから、「恐れ入りますが」もしくは「恐縮ですが」という言葉を続けると、言葉の雰囲気が和らぎます。とはいえ、固い表現なので、あまり使いすぎると、へりくだりすぎだったり、形式的な人という印象を与えます。ここぞという大切なお願い事をする時にだけ使うと良いかと思います。
[例]
- 恐れ入りますが、お電話いただけませんでしょうか。
- お忙しいところ、恐縮ですが、今日中にお返事をいただければと思います。
もしできましたら/もしよろしければ
この2つの言い方は書き言葉としても使えますが、口語的な表現でもあります。これまであげた1.と2.はどちらかというと、話し手の気持ちが中心です。私が貴方様にお手数をかけるから申し訳ない、私が忙しい貴方様に恐縮する、あくまで主体は私です。それに対し、「もしできたら」「もしよろしければ」は、貴方様ができるのであればですし、貴方様が良いと思われるのならということです。聞き手が選択できるということを言葉で明示すると、1.で紹介した逆接の言葉とは反対に、心理的負担を下げます。使い勝手の良いフレーズだということができます。
- もしできましたら、急ぎ、会議室までおいでいただけないでしょうか。
- もしよろしければ、ご試食いただけませんか。
早速ですが
お願い事は急ぎしてもらいたいことが多いです。また、本題に入る前に、長々、前置きをするのはある意味、日本文化においてはよく見られることではあるのですが、はっきり言って時間の無駄だと思われる時もあります。そのような時に使えるのが、このフレーズです。すぐに本題に入って、急ぎであることを文章の雰囲気から伝えましょう。もちろん、念には念で締め切りもはっきりさせましょう。いつも腰を低くしていることはとても大切なことですが、相手の仕事とはっきり分かっている時は、堂々とお願いし、後で心から感謝を言えば良いのです。
[例]
- 早速ですが、今回のプロジェクトのこの部分、訂正となりました。
- 明日の午後3時までに、訂正したものをいただけたらと思います。
ご足労/ご面倒をおかけ致しますが
ワンクッション置く言葉は、まだまだたくさんありますが、「お手数ですが」の「お手数」の部分を変えるだけでも、雰囲気は全く変わります。「ご面倒」は「お手数」とほぼ同じ意味合いで使うことができます。「ご足労」は、わざわざおいでいただいてという気持ちを表します。言葉はバリエーションなので、単調にならないように、色々な言葉を使うことを意識すると彩り豊かになります。
[例]
- ご足労をおかけ致しますが、本社会議室においでいただきたく、よろしくお願い申し上げます。
- ご面倒をおかけ致しますが、ご返答、お願い申し上げます。
最後に
何かお願い事をする時、前置きに使える言葉はまだまだたくさんあります。こういう言いまわしは使ったことがないなと思う言葉でも、使っているうちに、自分のものになっていきます。素敵な言葉を使う人は、素敵な人に見えるので、日々、研鑽で自分を高めていきましょう。
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