蛾と蝶の違い

蛾と蝶の違い

あなたは、蛾と蝶の違いをしっていますか?

実は、生物分類学上では、蛾と蝶は同じ「鱗翅目(しんりもく)」に分類されており、同じ仲間ということで基本、区別することは出来ません。その為、それぞれの区別の方法にも例外が多くあるようです。

でも、あえて区別するとしたら次のような方法があるようです。日本では、大体この方法で区別されているようですので、ひとつ参考にしてみてください。

出典:www.eltaodelaconsciencia.org

触覚の違い

蛾と蝶を、確実に簡単に区別する方法が触覚の違いと言われています。

蛾の触覚は、先端が尖っているものがほとんどですが、中には、羽毛状で細い毛に覆われていたり、櫛状になっていたりするものもあります。熱帯地区に多く生息するカストニアという蛾の仲間には、蝶と同じ形の触覚を持っているものもいるようです。ちなみに、櫛状の触覚を持っているのは、オスの蛾で、同じ種類のメスの蛾の触覚は尖っています。このオスの触覚は、夜、メスの蛾のフェロモン(匂い)を探して飛ぶために特化された触覚なのです。

蝶の触覚は、先端部分がマッチ棒のように膨らんだ形をしているのが特徴です。蝶のほとんどがこの形の触覚を持っていますが、セセリチョウの仲間だけは、膨らんだ部分の先が細くなった触覚をしています。

出典:sizen-tenpaku.com

蛾は夜に活動し、蝶は昼に活動する

一般的に、蛾は夜飛んで活動し、蝶は昼間飛んで活動します。しかし、ワモンチョウ、フクロウチョウ、ジャノメチョウの一部の蝶達は、朝や夕方の薄暗い時間帯を好んで飛びます。また、セセリチョウやジャノメチョウは夜、家の灯りに飛んでくることもあります。これと同じ様に、蛾の中にも昼に飛んで活動するものもいます。

出典:blog.goo.ne.jp

止まり方の違い

蛾は、羽を広げて止まりますが、蝶は、羽をたたんで止まります。ただし、蝶の一部の種類には、蛾の様に羽を広げて止まる蝶もいます。また、太陽を浴びるために、羽を広げて止まっている蝶もいます。人間の日光浴みたいなものでしょうか。体温をあげるために行う行為だそうです。

それぞれ、広げ方に特徴があるみたいなので、興味のある方はよく観察してみてみると蛾と蝶の止まり方の違いが分かってくるかも知れませんよ。

出典:goodidea.okinawa

蛾は醜く、蝶は美しい

たくさんの人が、蛾は地味で醜く、蝶は美しいといったイメージを持っているのではないでしょうか。

その通りで、多くの蛾が茶色を基本とした保護色をしていることから地味で、また、夜に活動する夜行性の為、派手にする必要もないので、くすんだ色をしている蛾も多くみられます。しかし、蛾の中にも、蝶のように美しい蛾もたくさんいます。ツバメガの仲間には、その傾向がよくみられ、特に、マダガスカル島に生息しているニシキオオツバメガは、蛾と蝶の中で最も美しいとされています。また、反対に蝶の中にも、地味な蝶はいます。

この為、この方法で、蛾と蝶の全てを区別するのはちょっと難しいかもしれませんね。

出典:yoshioka-lab.com

胴体の違い

一般的に、蛾は胴体が太く、蝶は胴体が細いと言われています。

ただ、セセリチョウの仲間に蛾の様な太い胴体を持つものもいます。(学者の中には、セセリチョウを蝶と認めてない学者もいるようです。)また、蛾の中にも、蝶のように細い胴体をもったものもいます。

出典:matome.naver.jp

翅棘(しきょく)の有無

空を飛ぶ時、トンボやカブトムシが前翅と後翅を別々に動かして飛ぶのに対し、蛾と蝶は、前翅と後翅をひとつの羽の様に一緒に動かして飛びます。

蛾には、後翅から「翅棘(しきょく)」とよばれる棘が出ていて、「抱鉤(だきかぎ)」とよばれる前翅のフックの様な突起部分に引っかかった状態になっています。一方、蝶にはこの「翅棘(しきょく)」は無く、後翅の部分が前方にせりだした状態になっています。

ただ、ヤマユガなど一部の蛾には翅棘が無いものもいたり、例外として、オーストラリアに生息するラッフルズセセリという蝶には、この翅棘が有ったりします。

また、この翅棘はとてもわかりずらいため、捕まえてよく観察する必要があるので、見分け方としては一般的では無いかも知れませんね。

出典:sizen-tenpaku.com

まとめ

日本に生息する蛾と蝶を見分ける場合は、大体、上記の方法で見分けられる様です。

ただし、世界中の蛾と蝶を見分けようとすると例外も多く、この様な方法で見分けることは難しいようです。

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