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海抜と標高の違いとは?

Rina H.
投稿者 Rina H.. 更新された: 16 1月 2017
海抜と標高の違いとは?

海抜と標高という言葉は聞いたことがあるけれど、実際は何だろう?と疑問に感じたことはありますせんか?

山梨、群馬のように海がない地域では、「海抜」という言葉を耳にするのは、地理の授業くらいかもしれません。実際、東日本大震災以前は、海抜と標高は一食単になり、「標高」が主に使われていたように感じます。東日本大震災以降、津波の被害が甚大だったこともあり、「海抜」という言葉をよく目にするようになりました。海抜、標高ともに同じものを基準とした高さの表記になりますので、同じ扱いだったとしても専門家以外は疑問を感じなかったのかもしれません。私たちの生活の中で、「海抜」や「標高」といったことを気にしていないからです。

標高と海抜の違いは何なのでしょうか。Hohoron.comでは、海抜と標高の違いを説明します。

目次

  1. 基準は同じ
  2. どこの基準にしているの?
  3. 標高と海抜は同じ
  4. マメ知識

基準は同じ

海抜、標高ともに、平均海面を基準とした土地の高さを言います。標高という言葉の方が、聞き覚えがあるのではないでしょうか?トレッキングや登山が健康づくりに良いと推奨されていますので、ニュース番組の特集などで耳にするきかいが多いはずです。

標高とは、平均海面を基準とした山や土地の高さを指しています。登山時に「標高○○」と書かれている看板を見かけることがあります。それは平均海面からの高さを表していることになります。

海抜も平均海面からの高さを示していますが、全国的に用いられているわけではありません。海に面した地域で津波警報や高波注意報など災害時に用いられる用語となっており、海に近い場所にお住まいであれば「標高」よりも「海抜」を目にしたことがあるはずです。

また、海抜0メートルという言葉はありますが、標高0メートルという言葉はありません。同じなのに?と思われるかもしれません。標高は、山や土地の高さを表していますので0メートルで表記することが出来ないのです。0メートルであれば、その標高は平均水面と同じ高さであり、少々の高波で浸水してしまうことになるからです。0メートル表記があるのは、海抜だけと覚えておきましょう。

どこの基準にしているの?

世界各国基準を決める地域は異なります。日本では、東京湾の平均水面を基準にするとしており、高さを標高としています。しかし、実際には、海は波の影響が大きくありますので、「国会前庭北地区」にある日本水準原点で測定されたものを基準としています。

標高と海抜は同じ

標高と海抜は実質的には同じものです。違いは、近海の平均海面を基準にするべきですが、そうなると標高と海抜の基準がことなり不具合が生じますので、一部の離島を除き標高と同じ基準にしています。

海抜は、津波、高潮などの対策の目安となります。瓢湖と海抜の基準を同じにすることで高さの統一を計っています。けれど、近海の平均水面でなければ、津波や高波の際の注意喚起をすることは難しく、注意喚起の際は「海抜○○m、O.P○○、」と言うように表記して、近海の平均海面からの高さを表すようになっています。

東日本大震災の津波の被害は甚大でした。未曾有の災害といわれており、「未曾有」とい表現自体もこのとき初めて知った方も多いのではないでしょうか。または、「未曾有」と使うような自然災害が起こるとは信じられない気持ちでこの言葉を聞いていたかもいるはずです。

災害発生から、時間がたち多くの町に復興の兆しを見ることが出来るようになりまいたが、いたるところにまだまだ言えぬ傷あとがあることも事実です。

マメ知識

東日本大震災以降、津波の被害にあった地域では、海に面した国道の電柱に「ここは海抜○○m」と書かれた看板が付けられたことをご存知でしょうか?

津波発生時、現在の高さがどの程度なのかを教えるだけでなく、迅速な対応を取ることが出来るようつけられています。実際、小高く見えていた地域が海抜4メートル程度であったり、低いと思われていた地域が海抜5メートル以上あったりと看板の設置により自身の家の海抜を知ることになったといいます。また、看板は一定の間隔をあけて、運転者に見えるような形で取り付けられています。

実際、自身が海抜何メートルに住んでいるのかわからなかったことも事実ですが、海沿いの地域には幼いころから、こういう海の状態になったらどこどこまで駆け上がれ!という事が大人から子供へ口頭で伝えられており、実際大災害を免れた地域でも子供たちが大人の言いつけを守り避難したことで人災に合わずに済んだ例もあるそうです。海に近くに住む人には、住む地域のルールがあり、また山岳に住む方々にも同じことが言えます。

標高・海抜は同じ高さを表していますが、住む地域によりその表記が変わり、生活の大切な情報の一つとなっているのです。山や土地の高さを表す「標高」と海沿いの災害を知らせるためのバロメーターとなる「海抜

」は同じ高さでありながら地域により言葉と役割を変えて使われています。これからは、自然豊かな山々へ行ったら「標高」の方式を、海沿いの町に出かけらた「海抜」の標識を見つけているのも面白いかもしれません。実際は、ご自身がお住いの標高の方が高いという事もあるかも知れません。

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