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分かり易く解説!引力と重力の違い

 
Kollama Yujiro
投稿者 Kollama Yujiro. 更新された: 16 1月 2017
分かり易く解説!引力と重力の違い

引力と重力という言葉は、どちらも似たような意味で使われることが多いですが、何が違うのでしょうか。どちらとも何かから引っ張られる力というイメージがありますが、言葉が異なるようにその意味合いも違うのでしょうか。答えはイエスです。両者は似ているように思えますが、実は全く異なるものです。今回はそんな引力と重力の違いについて、分かり易く見ていきます。

目次

  1. 引力について
  2. 重力について
  3. まとめ

引力について

まずは引力について説明します。言葉だけで表現すると、引力とは「二つの物体が互いに引き合う力」となります。しかしこれではあまりよく分かりませんよね。もっと詳しく説明していきますね。地球は丸い球体の形をしていることは誰でも知っていますよね。

例えばこの地球を野球ボールだとします。私たち人間はこの野球ボールの表面に張り付いていることになります。でも不思議ですよね?普通に考えたら落っこちるはずです。ではなぜ落ちずに表面に張り付いていられるのでしょうか?そう、何かの力が私たちをボールの中心に向かって引っ張っているからです。この力が引力ということになります。もっと正解に言うなら、私たちが地球を引っ張る力と地球が私たちを引っ張る力によって、私たち人間は地表に立っていられるということです。しかし、引力は物の大きさに依存しますから、私たちが地球を引っ張る引力は地球が私たちを引っ張る引力に比べてほぼゼロに等しい値となります。

従って、日常生活において私たちが何かを引っ張っているという感覚はないのです。このように、どんな物体の間でも引力は働いており、私たちの体を作っている臓器同士の間でも働いています。ひいては、細胞同士の間でも働いていますし、原子と原子の間でも働いているんです。

どうでしょうか、ここまで見てみると、引力が重力と別物であることがイメージできたのではないでしょうか。ここで一つ面白い話があります。月と地球の話です。宇宙飛行士がよく月の表面で大ジャンプをしているのをテレビで目にしたことはありませんか?あれも引力で説明できるんです。引力は物の大きさに依存すると言いました。月は地球より小さく、月の引力は地球の6分の一と言われています。

つまり、私たちが月に降り立った場合、地球上の6分の一の力でしか引っ張られないということです。よって単純計算ではありますが、月に行けば地球上の6倍のジャンプができるということになります。月面で走り高跳びをしたら大変な記録が出そうですね。

重力について

では次に重力について見ていきます。高校物理では、重力とは物体の質量に重力加速度をかけたものと習いますが、これでは重力そのものが一体何なのかサッパリ分かりませんよね。

重力について辞書で調べてみると、「物体の重さの原因となっている力」とあります。これでもよく分かりませんね。では別の見方をしてみます。私たちは引力によって地球上の表面に張り付いていますが、私たち自身にかかっている力ははたして引力だけでしょうか?

答えはノーです。かなり小さな力ですが、引力以外にも働いています。その力が遠心力です。地球は地軸を中心に自転しています。物を回せば遠心力は働きますよね。地球自身が回っていますから、もちろん地表上の私たちにはその分の遠心力が働いています。

しかしみなさん、そんな地表上から振り落とされるような力を普段感じますか?感じませんよね。地球の場合、遠心力は引力の290分の一と言われていますから、ほとんど感じないんです。でも、わずかではあっても確実に遠心力は働いています。

ここで本題に戻りますが、この引力と遠心力を足し合わせた力が私たちにかかっている重力となります。ただ、遠心力は非常に小さな値ですから、結果から言ってしまえば引力と重力は似たような値になってしまいます。しかし、これまで見てきたように意味合いは全然異なるものとなります。

ここで一つ面白い話があります。はたしてこの重力は地球上でどこでも同じかという問題です。答えはノーです。重力は引力と遠心力を足し合わせた力です。ノーということはどちらかの力に場所によって差があるということです。答えとしては、遠心力に差があります。考えてみてください。三センチの紐で繋いだボールを振り回す時と、一メートルの紐で繋いだボールを振り回す時とどちらの方が振り回される力が強く感じますか?明らかに一メートルの時ですよね。そうです、振り回す半径が大きいほど遠心力は強くなるんです。

これを地球で考えた場合、振り回す中心は地軸です。地軸を中心に私たちは振り回されています。この時の半径が最も大きい場所は赤道上で、小さくなる場所は北極と南極です。つまり、赤道上では一番重力が小さくなり、北極や南極では大きくなるということです。

まとめ

ここまで、引力と重力の違いについて見てきました。結論から述べると、値としては同じような力だが、意味合いとしては全くの別物であるこということです。引力とは物体同士が互いに引き合う力で、重力とはその引力から遠心力を差し引いた力とイメージしておけば分かりやすいかと思います。

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