ネット用語の「ネトウヨ」の意味と使い方

ネット用語の「ネトウヨ」の意味と使い方

みなさん「ネトウヨ」という用語を聞いたことや見たことはありますか?「あまり聞いたことないなぁ」という人も少なくないと思います。「何かがウヨウヨしてるの?」「ネトゲがウヨウヨ?」などと半ば意味不明な憶測があるかもしれませんが、この「ネトウヨ」は実は非常に定義が難しい用語でもあります。今日は、インターネット上でしばしば見かけることもある「ネトウヨ」という言葉の意味と使い方について解説してみたいと思います。

参照元:onedio.co

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「ネトウヨ」の意味

「ネトウヨ」とは、「ネット右翼」を指した言葉です。「右翼」と聞くとなんだか少しだけ物騒なイメージを持つ人もいるかもしれません。「右翼」と言われればご存知の人も多いかとは思いますが、定義としては「保守的で民族主義的な考えを持つ人々」を指すことが多いです。保守的と言っても、かなり偏った考えであったり、その考えを差別的に言うために、しばしば使われています。現在の日本の状況としては、天皇制の維持や外国人の政治参加反対や、自衛隊の軍隊化などの意見が挙げられています。もっと激しいものだと、日本の植民地化政策や戦争正当化などの理論を持っている場合もあります。

さて、その「右翼」に「ネット」が付いた「ネット右翼」すなわち「ネトウヨ」は、次の3つの定義に当てはまる人のことを指す差別的用語といわれています。

  1. 差別・憎悪主義者であること。主な差別対象としては、韓国や中国、在日や左翼などが挙げられています。
  2. 国家神道もしくは靖国教理を崇拝していること。それに基づいた国家観や歴史観・教育観、また軍事思想を持っていること。
  3. こういった意見の主張の場が、主にインターネットであること。

以上の観点で、当てはまる人のことを「ネトウヨ」と呼ぶようです。しかし、この「ネット右翼」という表現は非常にデリケートな内容からか、定義がブレつつあるのも事実です。なので、上記のような条件を満たしていなくても、そう呼称されることもあったりと、論者によってまちまちでしょう。その上で、大雑把にいうならば、「インターネットの掲示板などで、右翼的・国粋主義的な発言をして、非常に排他的な発言をする人をおおまかに指す」場合多いようです。いずれにしても、「インターネット上」を主な活動拠点にしていることと、ポジティブな意味合いはほとんどないことから、自称というよりもそのような人たちを差別するような言い方をするときに使われるでしょう。

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「ネトウヨ」が広まった背景

そもそもこの言葉自体は、1990年代後半にはすでに登場していた言葉だったようです。広がりを見せるきっかけの一つになったのは、日韓Wカップ前後だったようです。日本の植民地政策や戦争を正当化する理論の広まり、ならびに韓国側の反日主義に触発されて、一気に「嫌中憎韓」が広まったことで、「ネトウヨ」が勢力を伸ばし始めました。2000年代になると、政治的意見の中の多くにそういった思想も多くみられるようになったようです。こうした背景を鑑みて、政治家や政党やマスコミなどが「ネトウヨ」を取り上げるようになりました。政治的な活動に取り込もうとする動きも見られ、その反対に「ネトウヨ」の思想を批判する人も出てきたり、世論は荒れ模様になったようです。

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「ネトウヨ」の使い方

前述の通り、「ネトウヨ」は差別的な意味や侮辱的な意味を含んでいるので、「ネトウヨ」と誰かが誰かに使うときは、そういった目が含まれていることが多いので、使うときには非常に注意が必要な言葉です。とはいえ、インターネット上ではどういった使われ方をしているのか見てみましょう。

  • ネトウヨがこのスレ(スレッドの略)は多いみたいだ。
  • ネトウヨが独壇場開いてるぞ。
  • ネトウヨが原爆ドームの解体運動をしてる
  • ネトウヨというのが、定義なんてないんだ

「差別的な」思想や発言をしている人たちに対して呼ばれるようになった、「差別的な」呼ばれ方というなんとも皮肉的な表現が生まれてしまっているのですが、ニュアンスはご理解頂けたでしょうか?

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こういったデリケートで差別的な内容は、本来であればあまり口にすることのないキーワードですね。しかし、インターネット上という匿名性の高い場であったり、情報の多様化、ならびに自由に議論できる場が広まったからこそ、こういった用語も広まったのではないかと考えられます。混乱の多い定義ですので、「ネトウヨ」論者の意義は前後の流れをしっかり読んだ方が良いかもしれませんね。

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