「ご愁傷様です」の意味と使い方

「ご愁傷様です」の意味と使い方

ご愁傷様です。」とは、どんな意味で用いられるのでしょうか。「ご愁傷様」と聞いて、何を思い浮かべるでしょう。何かよくないことが起こったのだと、言葉の詳しい意味を知らなくても感じることができる言葉です。

この記事では、その意味と正しい使い方を例を交えて、紹介していきたいと思います。社会人としての、最低限のマナーとして、知っていて損はしないと思うので、是非参考にしてみて下さい。

ご愁傷様とは

ご愁傷様とは、どんな悔やみ言葉なのでしょう。

・相手を気の毒に思うさま

・身内を失った人に対するお悔やみ

・少し皮肉った言い方で、気の毒に思う気持ちを軽いからかいの意味で使う

少し皮肉った言い方を例えれば、「折角のデートなのに大雨とは、ご愁傷様」「折角の旅行なのに台風とは、ご愁傷様」といった感じで、日常の会話の中でも用いられています。

使い方の失敗例

驚くことに、ご愁傷様が本来悔やみ言葉であることを知らない世代もあり、結婚式などお祝いの場で「結婚は人生の墓場と聞きます。ご愁傷様」と少し皮肉ったスピーチをする人もいます。その場合、若い世代であれば少しの違和感で流すことも出来ますが、年配の方親族の方々においては、不快な思いをされている人・・・折角の祝いの席で悔やみ言葉を使うなんて・・、と思う人もいるでしょう。

悔やみの場で使用する悔やみ言葉と、祝いの席の言葉の区別が無い人もおりますが、学生なら許された失敗でも、社会人となり責任を持つ立場となったときには許されることはありません。この失敗が後々尾を引くことを考えられます。上記のスピーチを会社の友人代表として話していたのなら、周りからの視線だけでなく、「ああいう人がいる会社に勤めているのか」と周りの人も、白い目で見られることになります。

本来の意味と使い方

ご愁傷様です。」は、本来不幸のあった人に対する挨拶です。ご愁傷様ではなく、「お気の毒様」と言う方もいらっしゃいます。

同じ悔やみ言葉ですが、お気の毒様と使うのは、やはり年配の方が下の方に対して挨拶することが多くみられますので、新人が年配の上司の身内の不幸に対して「お気の毒様」と挨拶すると、違和感があります。やはり、目上の方が目下の方へ挨拶として用いることが出来ても、目下の方が目上の方へ使うことは失礼に当たります。人生経験の浅い若者が「お気の毒様」と挨拶すると、とても薄い言葉に聞こえてなりません。やはり人生経験豊富な年配の方々が用いる言葉です。

本来、ご愁傷様とは、自分の傷の場合は、嘆き悲しむことを指し、相手の傷の場合は、気の毒に思うことを指し、身内を失った方へ対するお悔やみの言葉です。「御」や「様」が付いていますので、身内を失った方々への最上級の敬意を意味する「労い」や「気遣い」を表す意味もあります。

また、女性であれば「ご愁傷様です」と言葉にするよりも「ご愁傷様でございます。」とした方が、より敬意を払い、気遣いも感じ取れる言葉になります。

基本的な返答の仕方

では、お悔やみの場で「ご愁傷様でございます」と言われた親族の方々は、どのように返答すればよいのでしょうか。「ありがとうございます」、「お気遣い感謝します」、「ご足労頂ありがとうございます」、どのように返答することが好ましいのでしょうか。

答えは、「恐れ入ります」です。これが可もなく不可もなく、参列していただいた方々への労いとお礼になります。

もともと、お悔やみの場で「ありがとう」と言う言葉を使うことは嫌がられます。以前は、「ありがとう」と言う言葉を、施主や親族の方々は使うことはマナー違反とされてきました。不幸を招き入れるなど諸説あるようですが、場にそぐわない言葉で合ったことは確かです。けれど、現在は賛否両論ありお悔やみ言葉に「ありがとう」と使うことに対して「故人に代わりお礼の挨拶をする」と言う意味として使うのであれば違和感は、感じなくなってきています。

お悔やみ=香典を頂く=心遣いに感謝し「ありがとう」を言葉にすると捕らえ方が変わってきたようです。

返答の仕方とポイント

通夜や告別式の当日、多くの方に参列いただきご挨拶が出来なかったときや、参列できなかった知人へのメールやメッセージへの返信には、どのような言葉を返答したらよういでしょうか。

「この度は、ご愁傷さまです。ご不幸があったこと知りませんで、ご挨拶が遅れ申し訳ありませんでした」などのメールやメッセージに対して「お気遣いいただきありがとうございます。故人もさぞ・・・」など、あくまで故人の代わりに生前お世話になったお礼と心遣いに感謝を伝えたり、または、「お気遣い恐れ入ります」や「ご丁寧にありがとうございます。」、「痛み入ります」という一言であれば、故人に対する心遣いと身内に対する心遣いを一括して伝えることが出来ます。

「痛みいります」使い慣れない言葉ではありますが、対面で挨拶されたとき多く耳にするのは「恐れいります」ですが、文章では「痛み入ります」を良く目にしています。ここちらも対面であれば「恐れ入ります」、間接的であれば「痛み入ります」と使い分活用すると良いと思います。

また、「ありがとう」を使い挨拶をするのであれば、「ご愁傷様でございます」と挨拶をされたら、「この度は故人に対して、お心遣い頂きありがとうございます。」と自分自身の気持ちではなく、故人に代わって伝えることがポイントとなります。

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