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「お悔やみ申し上げます」と「御愁傷様です」の違いと使い分け

 
Kollama Yujiro
投稿者 Kollama Yujiro. 更新された: 20 1月 2017
「お悔やみ申し上げます」と「御愁傷様です」の違いと使い分け

若い頃は良かったなと思うこと、それは少し特殊な場面に接した時、臆さず人に質問で来たことです。しかし、年齢が上に上がれば上がる程、質問しにくくなり、かつ、人も指摘してくれなくなります。そこで、今回は、今更、聞けない「お悔やみ申し上げます。」と「御愁傷様です。」の違いと使い方について、考えてみたいと思います。

目次

  1. それぞれの意味
  2. 弔文や弔電でも会話でも使えるフレーズと会話でのみ使うフレーズ
  3. 人の死に際してのみ使うフレーズと、人の死以外にも使えるフレーズ
  4. 最後に

それぞれの意味

まず、「お悔やみ申し上げます。」から。「お悔やみ」の意味を知っていますか。お悔やみとは、人の死を悲しみ、嘆くこと、また、それを言い表す言葉のことです。そのため、文字通りに意味をとると、亡くなられたことを悲しみ、嘆いていることをご遺族と故人に言いますということになります。しかし、実際は、この言葉を使う側だけでなく、ご遺族の気持ちも慮って、このフレーズを言いながら、相手の悲しみに共感しているように思います。

次に、「御愁傷様です。」の「御愁傷様」はお気の毒ですという意味の言葉です。しかしながら、ご遺族に直接、お気の毒と言う方は少なく、ご愁傷様を使い、ご遺族の以外とは、本当にお気の毒と話すことはありますが、ご愁傷様とは言いません。これ即ち、ご愁傷様は、お気の毒なことになってしまった当事者にのみ向けることができるフレーズであることを意味しています。

弔文や弔電でも会話でも使えるフレーズと会話でのみ使うフレーズ

「お悔やみ申し上げます。」は、弔文や弔電など、文字として残るものにも使うことができますし、ご遺族に直接お話しする時にも使うことができるフレーズです。その一方で「御愁傷様です。」は、絶対とは言いませんが、ご遺族とお話しする時に使い、弔文や弔電などで見かけることは少ないように思います。

これはあくまで、私の個人的な意見ですが、一般的に、文語体は口語体に比べ、丁寧になる傾向があるので、「御愁傷様です。」は「お悔やみ申し上げます。」よりも、プライベート感の高い言葉のように思います。使う相手と場面を考えて、見せたい自分を言葉を使って、演出しましょう。

ちなみに、会話では使われないけれど、弔文や弔電で主に使われるフレーズもあります。例えば「哀悼の意を表します。」などがその典型です。「お悔やみ申し上げます。」や「御愁傷様です。」と同様に、人の死に際して、よく使われるフレーズなので「哀悼の意を表します。」も一緒に覚えておくと、役に立つことがあるかもしれません。

人の死に際してのみ使うフレーズと、人の死以外にも使えるフレーズ

「お悔やみ申し上げます。」や「御愁傷様です。」の他にも、人の死を悼む定番のフレーズはありますが、大抵、人の死に際してのみ使われるフレーズです。しかしながら、「御愁傷様です。」は、人の死以外にも、大変だなという気持ちを笑いに包んで伝えるフレーズとしても使われています。

例えば、プライベートで恋人と会う約束があるのに、上司から接待に付き合えを言われ、断れなかったとします。その様子を見たデートをする予定だったことを知っていた同僚から、軽い感じで「御愁傷様です。」と言われるというような使われ方をします。

もしかしたら、若い世代の方は、このような使い方はしないかもしれません。しかし、一定の年齢以上の方であれば、貴方の嫌だろう、辛いだろうという気持ちを察して、少しでもそれを和らげたいと思って、冗談半分、からかい半分のような感じで「御愁傷様」と言うことは、普通にあるでしょう。

前にも書いた通り、「御愁傷様です。」は話す時に使われる言い方です。話す時、人は場面、話し手の表情、ジェスチャー、声の調子からも情報を得ます。だから、通常であれば、からかいの「御愁傷様」と悲しみの「御愁傷様」ですを混合することはありません。しかし、親しい人を亡くした時の人の精神状態は、通常の時とは少し違います。誤解されることのない表情やふるまいと共に、この言葉は使いたいものです。

実際の葬儀の場などを振り返ると、「御愁傷様です。お悔やみ申し上げます。」と2つのフレーズを重ねて使っている方もいます。それぞれのフレーズを使い分けるのではなく、一緒に伝えて、全部を伝えるという方法も大いにありだと思います。

最後に

ある程度、歳を重ねた大人になったら、言葉のマナーもきちんとしておきたいものですが、典型的なフレーズを言うだけでは心が伝わらない場合があります。マナーはマナーとして、典型的なフレーズを言っていれば大丈夫と安心せずにいたいものです。

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