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18歳からの選挙権 のメリットとデメリット

 
Kollama Yujiro
投稿者 Kollama Yujiro. 更新された: 16 1月 2017
18歳からの選挙権 のメリットとデメリット

18歳で初投票!選挙権年齢の引き下げに伴うメリットとデメリット

選挙権年齢の引き下げが70年ぶりに行われました。少子化の影響で世代間のバランスが悪くなってきている現状を打破するために、その必要性は以前から言われてきました。この選挙年齢の引き下げに伴うメリットとデメリットを考えてみましょう。

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目次

  1. メリット① 若者の無力感を打開する
  2. メリット② 政治家が若者たちを育てる、もしくは、助ける政策を考えるようになる
  3. メリット③ 若者が日本という国のあり方について考えるようになる
  4. メリット④ 国際的に見て、調和がとれた選択である
  5. デメリット① 教員や周囲の大人の考えに流されるかもしれない
  6. デメット② 選挙権を与えるということは成人になるということ?
  7. デメット③ 被選挙権はそのままに、選挙権だけ引き下げても意味がない
  8. 最後に

メリット① 若者の無力感を打開する

ここ最近、若者の政治離れは進んでいます。ただでさえ、高齢化社会が進んでいる中での、この状況は大きな問題です。なぜそのようなことが起こっているのか、理由は簡単です。年齢が上の人たちは政策の変更がダイレクトに生活に影響するために、自分の生活を守るためにも、政治に関心を持ち、自分の票を大切にします。しかし、若い人たちは国民年金一つとっても、自分たちが払った分すら、きちんともらえるかどうかも分からないのだから、どうせどこの政党が与党になっても、変わらないだろうという無力感に襲われています。この無力感の打開に、選挙権年齢を引き下げは功を成すだろうと考えられています。

メリット② 政治家が若者たちを育てる、もしくは、助ける政策を考えるようになる

政治家は選挙で落選したら、だたの…と言われる厳しい世界です。長年、議員をしていたり、親族や後援者が会社をしていたり、落選しても党がきちんと世話したいと思われていたりすれば話は別ですが、そうでなければ収入が途絶えます。だから、票の獲得のため、若者たちを育てる、もしくは、助ける政策が公約にすることでしょう。若者たちの力、アメリカにおける「サンダース現象」が記憶に新しいところですが、日本でだって、そのようなことが起きる可能性はないとは言えないのです。

メリット③ 若者が日本という国のあり方について考えるようになる

平和安全法制関連で、若者たちが国会周辺で活動している様子を見ることができますが、それ以前までは、あまり若者が日本という国のあり方について、意見を声高に言うという様子はあまり見受けられませんでした。選挙権年齢が引き下げられることによって、これまで考えることのなかった若者たちの中に、世界における日本の役割、今後の日本の方針について、考える芽が生まれることでしょう。

メリット④ 国際的に見て、調和がとれた選択である

全世界192か国中176か国が、18歳までに選挙権を得ています。そのため、国際的に見ても、18歳の若者に選挙権を与えることは、おかしなことではありません。ちなみに、世界で最も早く選挙権が与えられるのは、オーストラリアです。2007年に16歳まで選挙権年齢が引き下げられました。ブラジルも16歳から選挙権がありますが、義務が派生するのは18歳からです。国が置かれている状態などが背景にあるものの、多くの国で18歳までに選挙権が与えられていることから、選挙権が与えられる年齢として、早すぎるとは言えないのではないでしょうか。

デメリット① 教員や周囲の大人の考えに流されるかもしれない

高校の卒業式でのことです。国歌斉唱の時、私のクラスの座っている席の次の列が丸々一列、起立しませんでした。背中に感じる違和感と、保護者席のざわめきとでちらりを後ろを見ると、練習の時はきちんと立っていた一クラス分の生徒が座ったままでした。後で、そのクラスの子に話を聞くと、担任の先生が卒業式に参加する前にと言って、国歌斉唱の時、立つか立たないか、歌うか歌わないかは、個人の自由なんだという話をしたのだそうです。学生に慕われていたその先生は、直接言わなくても、指示が通ることを知っていたのでしょう。自分の保身はきっちりした上で、卒業式当日、学生の気持ちを試したその先生のことを大人になった今、色々な意味で、興味深く思っています。18歳とはそういう年齢だということです。

デメット② 選挙権を与えるということは成人になるということ?

現在のところ、成人年齢は20歳のままです。しかし、今後、飲酒、喫煙年齢も引き下げられる可能性も出て来ています。また、少年法の適用年齢も18歳未満になるのではと言われています。少年法の適用年齢については、近年の少年犯罪の質を考えると、選挙権の年齢が引き下げが行われるのであれば、当然、考えなければいけない項目になるかと思います。しかし、飲酒、喫煙年齢については、健康に関わることで、かつ、18歳という年齢は高校3年次にあたるため、学校構内で飲酒、喫煙する学生としない学生が一緒にいるのはどうかという声があるので、よくよく考える必要があるかと思います。

デメット③ 被選挙権はそのままに、選挙権だけ引き下げても意味がない

政治家は公約をどれだけ守っているでしょうか。守られる公約もあれば、守られない公約もあるという現実があります。だから、選挙権だけ引き下げられても、被選挙権がそのままであるのなら意味がないのではないかという論議があります。夢を見させられ裏切られるということを続ければ、政治離れはさらに進み、下手したら日本離れも進むのではないでしょうか。

最後に

法律が改正されたので、18歳から選挙に参加できるようになりました。もう決まったことです。だから、メリット、デメリットを比較して論議する時期はもう過ぎました。これから、私たちがすべきことは、デメリットとなる可能性がある部分をどうするか考え、デメリットとならないでしょうか。

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